WCAN 2016 Winter/(登壇者の顔写真と簡単な紹介、左から順に) 株式会社ビジネス・アーキテクツ 井原 力也氏、ネットイヤーグループ株式会社 坂本 貴史氏、長谷川 恭久氏

2016年12月3日に名古屋国際会議場で開催されたWCAN 2016 Winterに参加してきました。今回の登壇者はどちらかといえばWebデザイン向けのセッションでしたが、デザイナ以外の方も考えることがあったのではないかなと思っております。

WCANとは

WCANの公式サイトに説明があったので引用します。

WCANとは、Web Creators Association Nagoyaの略で、名古屋を中心としたエリアでWeb制作に携わっている人、Web に興味のある人のグループとして活動しています。

WCANとは | WCAN 名古屋エリアでWeb制作に携わっている人のためのサイト

名古屋を中心としたエリア(東海エリア)でWeb製作に関わっている人や興味を持っている人が集まってWebに関する勉強会などを行っており、有限会社アップルップルが主催として開催しています。

今叫ばれているWebデザインの疑問点を解決する数々のセッション

「いきなりセッションの内容に触れるのか」と思われそうですが、今回のWCAN 2016 Winterで一つキーワードを挙げるとすれば『Webデザイン』だと思います。

最近ではBootstrapやFoundationといったフレームワークが出てきたほか、UX/IX、アクセシビリティ…と叫ばれていることが多くなっています。この1年でUX/IX、アクセシビリティといった点が多く叫ばれているように思えます。

そのような時に、果たしてWebというのはヒーローなのでしょうか、Webデザインを行っていく上で本当に重要な事は何なのか、ということを再考させられました。

アクセシビリティは難しく考えすぎている

登壇者の井原 力也さんとセッションタイトル

最初のセッション『あなたの価値を高めるアクセシビリティ』というタイトルで井原 力也さんが講演されましたが、トレンドの割に難しく考えすぎているという現状から、今後やっていくことなどを述べられていました。

アクセシビリティおじさんこと、木達一仁さんが先日おっしゃられていた「アクセシビリティに取り組む理由」と「ウェブサイトを構築・公開・運用するのか」という点と共通することがあり、そこから内容は発展していたのではないかなと思います。

具体的には、Webに関わっているということは、アクセシビリティを全くしていないわけではないということが挙げれれます。何故ならば、Webに掲載していることがアクセシブルであるためです。

従来であれば新聞や音楽などといった情報は実際の店に行かないと入手できない情報でした。しかし、今はそうではありません。何故ならば、Webがあるからです。多くの人口が使うようになったWebがあるからこそ、Webに掲載しているということはアクセシブルであるということなのです。

しかし、アクセシビリティに関して興味はあっても、実際に勉強をしている人口は少なく、勉強しなければならないと思っている人口の割合では多くなくて、順位は24位の辺りをさまよっています。

アクセシビリティの定義も様々であり、WCAG 2.0では、「利用者全般のユーザビリティを向上」というような内容が記載されています。つまり、ユーザビリティでは1対1だったのが、1対多数になったと考えると楽なのかもしれません。

では、コンテンツをどうすればよいのでしょうか。アクセシビリティとユーザビリティ、2つの側面から考えた時に伝わる可能性が高いのは「Text」です。

例えば、Amazonが提供しているAudibleでは本を朗読しているものを再生するサービスを提供しています。Audibleと似たようなことをスマートフォンでも行うことが可能です。スマートフォンで行うことができるのは、テキストで執筆されているからです。

井原さんはコンテンツには2つの側面があるとおっしゃられていました。1つは人が読んでわかる “Humanreadable”、もう一つは “Machinereadable”です。前者は人が読むときに分かりやすいかどうか、後者は機械が読んで分かりやすいかどうかです。

先程の例を挙げると、人が読んでわかる、というのは難しいようで意外と簡単に実装することができますが、限界があります。しかし、機械が読めるということは形を変えることが可能です。

ただ、テキストにも限度があり、人によっては動画のほうが受け取りやすく、万全にするためには政府やマルチプラットフォームを展開する体力のある企業が有利になると思われます。

UX/IXを実践を通して知ることができるセッション

次のセッションは『『IA/UXプラクティス』を解きほぐし、実践する』というタイトルで坂本 貴史さんが話されました。

最近ではUX/IXと言った言葉が叫ばれていますが、その経緯や実際にどのようなことをすればそれを体験し、実践することが可能であるのか、ということが話されていました。

ワイヤーフレームを例にしてデザインするときにどのような要素が必要かと聞くと、デザイナは『与件・目的』を意外と求めているらしく、それがわからないのであれば戦略から見直すことが大事です。

しかし、一言「戦略」といわれても「???」となる時の解決策をワークショップを用いて解説されていました。

ちなみに、私は広島を拠点に活動しているため、以前も一度この話を聞いたことがあります。(最初に「聞いたことがあるかも」「どこかでワークショップをしたことがあるかも」とおっしゃられていましたし)しかし、その時は全く知らない0の状況であったのに対して、今回は少しでも予備知識がついている状態で話を聞くことができたので、少し余裕がありました。

また、広島で同じ内容を2回開催するとワークショップを行うときに話す人が同じ…となる確率がありますが、WCANは他エリアの勉強会であるということや、勉強会によって求められていることは異なり、会場などの性質も異なっていたため、非常にためになったと思います。

『デザインシステム』を導入するのは長期的な部分で考えなければならない

長谷川恭久さんとセッションのタイトル

最後に長谷川恭久さんが話された『作ってから終わりから卒業しよう - デザインシステム入門編』では、作って終わりにするとデザインが大変なことになる、ということを話されていました。

ウェブサイトを構築する上で、必ず必要となるのが「コンテンツ運用」です。しかし、最近ではマーケティングからの要望があったり、はたまた使ってもらわないとわからないことも多々あります。そのような時に対策というのはある程度していますが、コードを書く側としては全くできていません。

そのような時に役に立つのがスタイルガイドです。スタイルガイドはデザインの再現性を保つとともに、書けない人にとっても有用です。でも、スタイルガイドはデザイナーの判断で変わったり、品質管理ができない部分、このデザイン(色・フォント…etc)の何が良いのかという点も不明です。そのような時に役に立つのが『DESIGN SYSTEM』です。

『DESIGN SYSTEM』とは、デザインを明文化(=説明すること)によって、何が良いのか、何がダメなのか、どうしてそうなのか…というようなことが記載されているものです。デザインシステムの一例として、Material designを一つの例として挙げられていました。Androidのアプリケーションがデザイン的にイマイチであったり、挙動が統一されていなかった過去がありますが、今ではマテリアルデザインがあることによって、非常に直感的に使いやすいアプリケーションができています。

『DESIGN SYSTEM』を導入することで全ての問題が解決されるわけでもありません。そもそも、デザインには4つのポイントがあります。それは、」そのデザインは使いやすいのか、ニュアンスは何なのか」という点、「色、タイポグラフィなどのデザインを構成する部品」、「UI(ユーザーインターフェース)」や「コード」が挙げられます。

では、実際に作成するとなった時に共有手段や提供の仕方、始め方などはどうすればよいのでしょうか。時間をかけて作ったとしても、見てもらえなければ意味がありません。そのためにも、普段使っているツールを用いることが大事になります。

長谷川恭久さんはフリーランスのデザイナであるため、多くの会社やプロジェクトにかかわられております。しかし、ツールはGithubを用いる組織であればGithub、Google Documentで文章のやり取りをすることが多ければGoogle Documentに記載することもあるそうです。

また、『DESIGN SYSTEM』は万能ではなく、バグが有ったり、時代やプラットフォームによっては調整をしたり、世の中の動きを見て変わることもあります。そのため、指標として用いることを勧められておられました。

シンプル一文字でも人によって捉え方が異なります。そのため、全員は無理でも、プロジェクト内でデザインシステムを認識し、理解することによってノンデザイナーでもデザインの議論に加わることが可能であると思います。

最後のまとめでおっしゃられていましたが、運用が必要なのはウェブサイトだけではなく、デザインも必要であるとおっしゃられていました。確かに、スマートフォンの登場でレスポンシブデザインの採用や、AMP(Accelerated Mobile Pages Project)の対策など、現状では作って終わりにすることができない状況になっていると言われても過言ではないと思います。

イベント全体の雰囲気として

私は当日入りをしたのですが、昨年に比べて受付がスマートだったように思えます。それは、昨年よりも受付を1人増やしていました。しかし、会場となる会議室の号数付けがわからなかったため、入ってすぐのところで視覚的に示すのではなく、案内板などがあればよかったのではないかなと思っております。

また、LTでもWebに関わる内容が多く、実際の現場の状況を知ることができ、非常に新鮮であり、イメージが変わったことも有りました。特に、最初の株式会社アクアリングの樽見さんが話されていた内容では、「運用は地味なイメージだけど、実際は新人育成であったり、経験としては非常に重要であること」という点は説得力が合ったと思います。

会場はプロジェクターを用いるということもあり、メモをしづらかった印象があります。今回、私はグラフィックレコーディングに挑戦してみたのですが、非常に難しかったです…。意外と書きたいことが多かったりするので、最後の方に「あ、足りね」となってしまいました。

プロジェクターを用いるとそのあたりのさじ加減が非常に難しいですが、単焦点プロジェクターを用いることで明かりを消す数を減らすことができないかなーなど色々と考えていました。

恐らく2016年最初になる忘年会 兼 懇親会

2016年12月3日に開催されたということもあり、最初にアップルップルの山本さんが「最初の忘年会になる人が多いと思います」とおっしゃられていましたが、恐らく会場におられた全員がそうなのかな、と思っております。

また、WCANの忘年会ではビンゴが例年あるのですが、その時に当たった商品がこちらです。

私は広島に住んでいるのですが、名古屋で使えるドロップインチケットが10枚…といういかにも昨年同様ネタになってしまいました。ちなみに、こちらのチケットは別のa-blog cms本と交換していただきました!